リッドハイジーンのすすめ:ぬるま湯で行う方法
目の健康は、私たちの日常生活において非常に重要です。リッドハイジーン(眼瞼清拭)は、目の周りを清潔に保ち、目のトラブルを予防するための基本的なケア方法です。今回は、ぬるま湯を使ったリッドハイジーンの方法について説明します。
なぜリッドハイジーンが重要なのか
まぶたの縁には、マイボーム腺という脂腺があり、涙の蒸発を防いで目の乾燥を防ぐ役割を果たしています。しかし、この腺が詰まるとドライアイや麦粒腫(ものもらい)などのトラブルが発生します。リッドハイジーンを定期的に行うことで、これらの問題を予防し、目の健康を保つことができます。
ぬるま湯を使ったリッドハイジーンの手順
- 手を洗う:清潔な手で行うことが重要です。石鹸と水で手をよく洗ってください。
- ぬるま湯の準備:適温のぬるま湯を用意します。お湯が熱すぎると皮膚を傷つける可能性があるため、心地よい温度(約37〜40度)に調整してください。
- 指を使ったマッサージ:手を清潔にしたら、ぬるま湯で目の周りをぬらし、指のはらを使って、睫毛の根元周囲をやさしくマッサージします。これにより、固まった脂や角化物の詰まりが解消され、マイボーム腺の脂の排出が促進されます。
- まぶたの拭き取り:そのあと、ぬるま湯に浸したコットンやガーゼで、まぶたの縁を優しく拭き取ります。
- タオルで拭く:最後に、清潔なタオルでまぶたを優しく拭き取ります。強く擦らず、優しく押さえるようにしてください。
注意点
- 1日2回から始め、症状が改善したら1日1回に減らします。
- 汚れが強い場合、アイシャンプーなどの使用が推奨されています。目に沁みない泡タイプのベビーシャンプー(無香料がよい)などもほかの部位の洗浄にも使え、手に入りやすいので使い勝手がよいです。
- コンタクトレンズを装着したままリッドハイジーンを行わないでください。
- ぬるま湯が直接たくさん目に入らないよう注意してください。
- リッドハイジーンを行う際に痛みや異常を感じた場合は、直ちに中止し、眼科医に相談してください。
- まぶたの皮膚が下がっている場合 このようにまつ毛の付け根が洗いにくいことがあります。
まつ毛の付け根がよごれている症例
眉毛の下の皮膚を少し持ち上げてみると
まつ毛の付け根がしっかりみえます。 この状態でリッドハイジーンを行いましょう。
めちゃねちゃです。このままでは、目薬が効きません。
一見さほど汚れてないみたいだけど・・・
よくみると、うろこのような"めやに"・・・・、お湯でやわからくすればきれいに取れます。
- わたしは、眼科医として、いままで"ぬるま湯で柔らかくならない目ヤニ!"を見たことがありません。
リッドハイジーンのメリット
- 目の周りの汚れや細菌を取り除くことで、目のトラブルを予防できます。
- マイボーム腺の機能を正常に保ち、ドライアイを予防します。
- 目の健康を維持し、快適な視界を保つことができます。
リッドハイジーンは、毎日の目のケアの一環として簡単に取り入れることができる方法です。
ぬるま湯を使ったリッドハイジーンを習慣化し、目の健康を守りましょう。
参考:目元の化粧が引き起こすマイボーム腺炎:予防とケアのポイント