近視の進行予防の研究
近視の進行を抑えるための研究が進んでおり、いくつかの効果的な方法が見つかっています。
以下に代表的な方法を簡単に説明します。複数の方法を組み合わせて治療することもあります。
近視抑制治療のメリット
- 視力保護 近視の進行を抑えることで、将来的な視力低下を防ぐことができます。
- 生活の質向上 視力の安定により、学業やスポーツなどのパフォーマンスが向上します。
- 長期的健康 高度近視によるリスク(網膜剥離、緑内障、黄斑変性など)を減少させることができます。
- 心理的安心 近視の進行をコントロールできることで、子供や親にとって安心感を提供します。
近視抑制治療のデメリット
- 費用 多くの近視抑制治療法は保険適用外であり、自費負担となります。
- 効果の個人差 各治療法の効果は個人によって異なるため、全ての人に効果があるわけではありません。
- 継続的な管理 短期間に効果が得られるものではありません。特定の治療法(オルソケラトロジーなど)では、親の適切な管理と定期的な診察が必要です。
近視抑制治療の方法
1.眼鏡による予防
累進屈折力レンズ眼鏡は、近くを見るときの目の負担を軽減し、近視の進行を抑えます。
2.ソフトコンタクトレンズによる予防
多焦点ソフトコンタクトレンズ(EDoF イードフ)は、周辺視力を補正することで眼軸の延長を抑制し、近視の進行を抑える可能性があります。(EDofコンタクトレンズ処方料は保険です)
3.オルソケラトロジーによる予防
眠前に特殊なハードコンタクトレンズを装用して就寝し、夜間の間 角膜の形状を強制的に変形させることで近視の進行を効果的に抑えることができます。
親のコントロール下で治療ができ、裸眼視力がよく、昼間にコンタクトトラブルを起こすことがないのがメリットです。
4.低濃度アトロピン点眼による予防
0.01%の低濃度アトロピン点眼は、近視の進行を平均50%抑制することが研究で示されています。
副作用が少なく、小児でも使用しやすいとされています。長期的に使用する必要があります。
結論
近視の進行を抑えるための様々な方法が研究され、その効果が示されています。
各治療法にはメリットとデメリットがありますが、個々のニーズに合わせて選択することが重要です。
近視抑制治療により、視力の維持と生活の質の向上が期待できます。
効果と安全性については今後さらに研究が進められ、より多くの人々に有効な治療法が提供されることが期待されています。
当院では自費治療を行っていませんが、視力低下で来院されたこどもに対して眼軸測定を行っています。
近視抑制治療を希望される方には、そのデーターレポートを作成して、信頼できるドクターを紹介します。
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【参考文献】
- [公益社団法人 日本視能訓練士協会 近視について](https://www.jaco.or.jp/nearsighte/)
- [日本近視学会 近視とは?](https://www.myopiasociety.jp/general/about/)