近年、お子さまの近視進行を抑える治療として注目されているのが、
「低濃度アトロピン点眼薬(リジュセア®ミニ)」です。
この点眼薬は、2025年4月に日本国内で正式に発売され、話題となっています。
【重要なお知らせ】自費診療ってどういうこと?費用は?公費は使える?
「自費」と「保険」は混ぜられません
近視の進行を抑える新しいお薬「低濃度アトロピン点眼薬(リジュセア®ミニ)」は、これまで自由診療(自費診療)でしか扱えなかった治療法が、日本国内で正式に認められて登場するという、大きな進歩です。
ただし、大切なご案内があります。
この治療は 保険の対象ではないため、全て自費での診療 となります。
つまり、普段の目の健康チェックや、近視の検査などを「保険で検査をうけ、薬だけ自費で出してもらう」といったことはできません。
なぜ"混ぜる"ことができないの?
保険診療との「併用(混合診療)」は法律で禁止されているため、一部だけ保険で、一部だけ自費でということはできません。
もし、近視に関係する診察や検査の一部だけを保険で行い、点眼薬の処方だけを自費で行うと、ルール違反となってしまいます。
そのため、
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近視の検査
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お薬の処方
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治療の経過観察
これらはすべて まとめて自費診療 で行う必要があります。
眼科に受診される受付であらかじめ「低濃度アトロピンを希望」とお伝えするほうがよいです。
受付時にお申し出いただけない場合、診察後に会計内容の切り替えや書類作成が必要となり、
お会計までにお時間がかかることがございます。
また、受付時に「保険証や医療証を出したので保険が使える」と誤解される方もいらっしゃいますが、
この治療は 制度上、完全に自費扱いとなるため、あらかじめご了承ください。
よくあるご質問
Q. 学校健診の結果を持ってきて、視力が悪いか調べたいだけなんだけど?
A. その場合も、近視に関する検査や診断が含まれる場合には、低濃度アトロピンを希望されるなら自費扱いになります。
Q. 花粉症の目のかゆみで来たけど、ついでにこの薬も出してもらえる?
A. 花粉症(アレルギー性結膜炎)は保険で診られますが、近視の治療と同じ日に両方を行う場合は、診療内容をしっかり分けて記録する必要があるため、お時間や費用も分かれます。場合によっては別日でのご案内になることもあります。
Q. 前に使っていた点眼がまだ残っているけど、再処方だけもらえる?
A. お薬の継続には、医師による診察が必要です。診察せずにお薬だけを出すことは法律で認められていません。
最後に
この治療は、近視の進行を穏やかにする可能性がある、非常に注目されている方法です。
ただし、保険診療とは別枠の「自由診療」であるため、ルールを守って安全にご提供することが大切です。