アバレプト®懸濁性点眼液0.3%(一般名:モツギバトレプ、開発コード:SJP‑0132)は、
世界で初めてTRPV1受容体の拮抗作用を持つドライアイ治療薬として、
2025年12月22日付で国内製造販売承認を取得しました。
🔬 作用機序(メカニズム)
📌 従来の「涙液補充」「炎症抑制」とは異なる神経感覚系に働きかける新しい治療機序です。
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TRPV1(Transient Receptor Potential Vanilloid 1)というイオンチャネルが標的。
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TRPV1はカプサイシン、熱、炎症性物質、浸透圧などの刺激を受容するセンサーであり、角膜の知覚神経に存在します。辛い料理をたべたときの痛みの原因です。
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ドライアイでは涙液浸透圧の上昇や炎症性物質の増加によりこの受容体が活性化・感作されやすくなり、
→ 知覚神経の閾値が低下し、痛みや不快感などの症状が生じやすいと考えられています。
🧪 臨床試験と効果評価
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国内第III相臨床試験(3‑02試験)では、
主要評価項目として設定された「ドライアイQOL質問票(DEQS)」で有意な改善が確認されました。 -
DEQSは主観症状や日常生活への影響を評価するスケールであり、
→ 症状改善という患者QOLへのアプローチが臨床的に意味あるものとして示されています。
💡 使用方法・承認概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | アバレプト®懸濁性点眼液0.3% |
| 一般名 | モツギバトレプ |
| 効能・効果 | ドライアイ |
| 用法・用量 | 通常1回1滴、1日4回点眼 |
| 承認日 | 2025年12月22日 |
| 承認国 | 日本(世界初) |
🧠 臨床上のポイント(解説)
✔️ 従来点眼薬との違い
従来のドライアイ治療では: 涙液補充液 ヒアルロン酸点眼 抗炎症点眼(ステロイド、免疫抑制剤など)などが主軸でしたが、症状が残存するケース(炎症所見は減っても不快感が続くなど)が一定数存在します。
✔️ アバレプトの役割
「角膜知覚過敏」=神経感作の状態 を改善するアプローチで、眼表面の炎症や涙液不足とは別に生じる不快感に作用します。
⚠️ 安全性と注意点
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臨床試験では比較的忍容性良好とされた一方で、→ 冷感、霧視などの副作用が一部に報告されています。
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TRPV1阻害剤は全身投与の場合に温度感覚変化などのリスクが指摘されることがありますが、→ 点眼投与では重篤な問題は報告されていません(将来の使用後調査でモニタリング予定)。
🗓 📌 市販予定
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承認は2025年12月22日ですが、
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薬価収載を経て春頃(2026年春)に発売開始が予想されます。
🧠 まとめ
✅ アバレプト®は世界初のTRPV1拮抗作用点眼薬として承認取得
✅ 神経感覚過敏に働きかける新しい治療機序
✅ 従来の点眼治療で不快症状が残る患者へ新たな選択肢
✅ 2026年春ごろ発売見込みで臨床使用が近い





