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ドライアイ治療薬:出荷制限についての通知
はじめに
日本国内の眼科医療において、乾燥性角結膜炎やドライアイの治療に広く使用されている「ヒアレイン」および「ジクアス」の供給状況について、最近重要な発表がありました。これらの点眼薬の一時的な出荷制限について、詳しく解説します。
出荷制限の背景
2024年5月 製造ラインのメンテナンスおよび原材料の供給不足が原因で、「ヒアレイン」と「ジクアス」「レバミピド懸濁性点眼液2%」の出荷制限が実施されました。これにより、医療機関や薬局での在庫が一時的に不足する可能性があります。製造元は、品質管理と供給体制の強化に努めており、早期の供給再開を目指していると聞いています。
患者さんへの影響
出荷制限の影響により、日常的にこれらの点眼薬を使用している患者さんには一時的な不便が生じる可能性があります。薬が欠品して手に入らない状況や、処方できない場合も予想されます。代替薬の使用を検討することが求められる場合がありますが、必ず主治医と相談の上、適切な治療法を選択してください。
後発品
「ヒアレイン」および「ジクアス」には後発品が存在します。これらの後発品は、同じ有効成分を含みます。これらも流通が不十分で、多くは欠品しています。
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ヒアレインの後発品
- ヒアルロン酸ナトリウム点眼液0.1%
- ヒアルロン酸Na点眼液0.1%
- (ティアバランス)
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ジクアスの後発品
- ジクアホソルNa点眼液3%
代替薬の選択肢
「ヒアレイン」および「ジクアス」の後発品以外にも、以下の点眼薬が代替薬として挙げられます。
- 人工涙液: 一時的な乾燥感を緩和するための点眼薬です。ソフトサンティアやマイティアなど防腐剤の少ないものがよいでしょう。
- 抗炎症点眼薬: ドライアイの症状が重い場合には、医師の指示により抗炎症点眼薬が処方されることがあります。
- その他の保湿点眼薬: 「ヒアレイン」や「ジクアス」に代わる保湿効果のある点眼薬も複数存在します。
医療機関からのお願い
出荷制限に伴い、医療機関から患者さんへの重要なお願いがあります。薬剤の適正使用と在庫管理のため、以下の点にご留意ください。
- 不要な在庫の抱え込みを避ける: 必要以上に多くの薬を購入することは避け、他の患者さんへの供給確保にご協力ください。
- 代替薬の使用: 必要に応じて、代替薬の使用を検討してください。主治医と相談の上、最適な治療法を選択しましょう。
- 医療機関への連絡: 薬の供給に関する不安や疑問がある場合は、早めに医療機関に連絡し、指示を仰いでください。
まとめ
「ヒアレイン」および「ジクアス」の一時的な出荷制限は、患者さんにとって不便を生じることが予想されますが、製造元および医療機関は早期の供給再開に向けて努力を続けています。患者さんには、適切な治療法の選択と薬剤の適正使用にご理解とご協力をお願い申し上げます。