流行性角結膜炎(EKC)は、アデノウイルスが原因となる非常に感染力の強い目の病気です。
一般的には「はやり目」と言われています。
特に夏季に多く見られますが、一年を通じて発生する可能性があります。
放置するとまぶしいなど後遺症が残ることもある疾患ですので、EKCの症状、治療方法、注意事項について詳しく説明します。
EKCの症状
EKCの主な症状は以下の通りです:
- 白目の充血:急に白目が真っ赤になることがあります。
- ごろごろした痛み:常に感じるほどの異物感や痛みを伴うことが多いです。
- 大量の目やに:特に朝起きたときに目が開かないほどの目やにが出ることがあります。
- リンパ節の腫れ:まぶたや耳の前にあるリンパ節が腫れ、触ると痛みを感じることがあります。
- 潜伏期間:1〜2週間
治療と注意事項
EKCにはウイルスに対する特効薬はありませんが、以下の対策で症状を軽減し、感染を広げないようにすることが重要です。
治療法
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複合感染の予防と炎症の軽減:
- 抗生物質点眼薬や抗炎症点眼薬を使用します。
- 医師の指示に従い、必ず2週間点眼を続けてください。
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点眼の方法:
- 上を向き、1滴だけ下まぶたを引っ張ったピンク色の部分に落とします。目薬の先が目に触れないように注意してください。
- 最低15秒間目を閉じたままにし、あふれた薬液を拭き取ります。
- 点眼前後はしっかりと手を洗ってください。
- 残った目薬は1か月以内に破棄し、共用しないでください。
注意事項
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感染拡大の防止:
- 顔や眼鏡などに手を触れないようにし、触れた場合はすぐに手を洗ってください。
- ドアノブ、エレベーターのボタン、手すりなどに触れるときは手を消毒してください。
- 家族も頻繁に手を洗い、タオルなどは分けて洗濯してください。
- 入浴は家族の最後に行い、プールや大衆浴場へは行かないでください。
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日常生活の注意:
- 会話や取り分けた食事を一緒にするだけでは感染しませんが、接触部分はアルコールで消毒してください。
- 症状が悪化した場合や痛みが強くなった場合は再度受診してください。
- 感染の危険がなくなるまで通勤通学を控え、許可が出るまで待ってください。
- 完全に治るまでコンタクトレンズは使用しないでください。
参考文献
- 「流行性角結膜炎(EKC)に関するガイドライン」日本眼科学会
- 「アデノウイルス感染症の臨床と診断」医学書院
- 「感染性結膜炎の治療と予防」眼科医療ジャーナル
EKCは非常に感染力が強い病気ですが、適切な治療と予防策を講じることで、症状の軽減と感染拡大の防止が可能です。症状に気づいたら、早めに眼科を受診し、適切な対策を講じるようにしましょう。
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